予想外の恋愛
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「信じられる!?あの男、私の腕見て前足って言ったんだよ!」
「あんた細いのにねえ。他に良い文句が見つからなかったんじゃないの」
「不必要な文句探さないで欲しい!」
今日は学生時代からの付き合いの本田真知(まち)とイタリアン料理を食べに来ている。
学生の時はもっぱらファーストフード店かファミレスだったのに、最近はこうして小洒落た店に来ることが増えた。
こういう時に大人になったんだと実感する。
「でも一回見てみたいなあ、その噂の彼。そのキツーい言葉の数々が余計に興味をそそるっていうか」
「マチぐらい美人だったら何にも言われないよ、きっと。ああいう自信過剰男は面食いに決まってる」
「あら、せっかくなら思いっきり暴言吐かれてみたいけどね」
「…マチってそういうタイプだったの?」
「私、男はみんな好きよ」
親友の信じられない言葉を聞きながらピザを手に取る。
「ナギサこそそんなこと言ってるけどちょっと気になる存在ではあるんじゃないの」
食べようとした瞬間ピザにのっていたエビがぼとっと落ちた。