予想外の恋愛
「ざっくりのイメージで、どの季節っぽいですかね」
「…春」
「じゃあ、ゴールドだったら間違いないと思いますよ」
「ふーん」
朝田さんがゴールドのネックレスを持ってレジへ向かった。
本気で買うらしい。
相手の人は一体どんな人なんだろう。
会社の人?
地元の人?
その人とは付き合ってるの?
聞いてみたいけれど、なんとなく聞きたくないような気もする。
「よし、じゃあ次は…」
次に入ったお店は、これまたレディースの靴屋さん。
まだプレゼントを買う気なのか。
ここで疑問なのは、一人に複数の贈り物をするのか、何人も贈り物をする人がいるのか、だ。
…実は女たらしかもしれない、この人は。
「おいお前、ちょっとこれ履いてみろ」
「わ、私が?サイズ違ったら全然参考にならないんじゃないですか?」
「いいから履けって」
しぶしぶ、言われた通りに履いてみる。
華奢なデザインのエナメルパンプスは、ヒールは高いけれどとても履き心地が良い。
「ピッタリか?」
「え、私には少し大きいかもしれませんけど…」
「じゃあこっちのサイズは?」
「…ピッタリです」
「よし」
「ま、待って待って!」
それを持ってレジへ行こうとする朝田さんを焦って引き留めた。
「靴は、本人に履いてみてもらわないと失敗しやすいから!だいたいじゃ駄目ですよ!」
「ちっ、めんどくせ。お前の足のサイズは」
「23.5ですけども!」
「じゃあ一緒だ。これでいい」
そんなに適当でいいのかものすごく突っ込みたい。
プレゼントのチョイスはすごく素敵なのに選び方が雑では、贈られるほうの女の人の気持ちを考えて複雑な気分になってしまう。