予想外の恋愛
「買っちゃってるし………」
「俺の勝手だ」
確かに、私が口を挟むようなことではないかもしれない。
だけど一応こうして一緒に選んでいるのだ。助言ぐらいさせてくれてもいいと思う。
「あ、ちょっとすいません、この雑貨屋見てもいいですか」
「仕方ねえなー」
オシャレなデザインのコーヒーカップを見つけた。
冷めにくいようにフタも付いていて、大きすぎず小さすぎずで一目惚れしてしまった。
「コーヒーカップなんて毎日嫌ってほど見てんだろ…」
「最近、店長にコーヒーの淹れ方を教わってるんです。自分で淹れたコーヒーをマイカップで飲みたいなーなんて…」
「え、お前がコーヒー淹れてんの?」
あからさまに嫌そうな顔をされてしまった。
どこまでも失礼な人だ。
「心配しなくてもお店で出すことはありませんからー!あーこれ買おっかな…赤か…黒か…」
「お前が赤、俺が黒」
「え?まさか欲しいとか?」
「欲しい。これ気に入った」
どのタイミングで気に入ったのか。
私が先に目を付けたのに。
「オソロイになっちゃいますよ。私は絶対これがいいから別のやつ選んでくださいお願いします」
「俺もこれ気に入ったっつってんだろ。別に誰に見られるわけでもねえんだし色違いで我慢しろ」
「ええええー?」
不満を全面に押し出したというのに、赤と黒のカップを持ってさっさとレジに並ばれた。
…俺様な人なのは充分知っているつもりだった。
だけど今日は更に融通が利かない。
ムカついたのでその辺にあった猫耳帽子を被せてやった。
「てめ、なにしやがる」
「世界一猫耳が似合わない男め!」
「じゃあ被せんな!」