予想外の恋愛
「あ、そのカップ自分で買うので貸してください」
「別に、こんぐらい買ってやる」
「だ、ダメです!何言ってるんですか!」
まさか、買ってくれると言い出すとは思っていなかった。
私の知っている朝田さんとはなんだか違う。
「あーわかった。じゃあ今日おとなしく来た報酬だ。黙って買ってもらっとけ」
「報酬って…」
「ここで待ってろ」
持っていってしまった。
買ってもらっていいのだろうか。
そんなつもりで欲しいって言ったわけじゃなかったのに。
…お揃いだし。
あまりそういうのは気にしない人なのかもしれない。
確かに、一緒に使うことなんて無いだろうから問題はないのかも。
だけど彼女がいるなら話は別だ。
自分の彼氏が、自分以外の女の人とお揃いのものをこっそり買っていたら、いい気はしないだろうし。
そういうところをちゃんと考えているのか、こっちがヒヤヒヤしてしまう。
だけど言ったところで聞くような人ではないので私も何も言わない。
そういう意味では、私も共犯なのだ。
「ほら」
「あ、ありがとうございます!じゃあ…あの、ありがたく頂戴します」
「おー。大事に使えよ」
「はい、朝田さんも」
「…そうだな」