予想外の恋愛


「言っとくけど、もう7年前のことだよ。今更再会したところでどうにもなんないって。それに…私は振られたんだから」

「それこそ7年前の話よ。しかも私の記憶では、近藤くんの方がナギサのこと好きーみたいな感じだったけどな」

「いやいや違う違う。私がベタ惚れだったんだよ。別れた時は泣いたね」



今でも覚えている。
当時から可愛げのなかった私は、振られてかなりショックを受けたのを近藤くんに知られたくなくて、すんなり別れたのだ。

決して目の前では泣かないように我慢して家で号泣した記憶がある。


その時に泣きながら「別れたくない」と言えば何か変わっていたのだろうか。



「…久しぶりに会って話してみたら色々わかることがあるかもね」


マチがぼそっと呟いた。



「それで?いつだったっけ、その同窓会」

「えっと…土曜日の夜じゃなかった?どうせ二次会まできっちりするだろうし次の日が日曜日で良かったーって思ったはずだから」

「土曜日ね。マチ、一緒に行こう。私夕方までバイトだからお店に来てよ」

「はいはい。コーヒーでも飲ませて頂きますよ」




元カレとの再会は少し緊張する。
今思えば本当に異常なくらい好きだった。

元気にしていればいい。
そんな思いと、僅かな期待が胸の中で渦巻いていた。



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