予想外の恋愛




土曜日。


朝から普段よりちょっと気合を入れて化粧をしてしまった。

別に近藤くんに会いに行くんじゃない。みんなに会えるのが楽しみなだけだから。と言い訳しながら、ちゃっかり髪も少し巻いてある。



「ナギサちゃん今日はいつもより可愛いね。ついに朝田さんに会えるのが楽しみになってきた?」

「…店長。嫌な人物を思い出させないでください」

「いや、僕も最初は二人の会話聞いてハラハラしてたんだけど途中からなんか面白くなってきてさ。朝田さんもすっかり常連になってくれてるし結果オーライかなと」

「間違っています!その認識は間違っています!」



冗談じゃない。
あの男は私の敵だ。

朝から少し乙女モードに突入していた心が一気に冷めていく。



「あ、店長。今日の夕方、マチがお店に来るので私の給料からコーヒー出してもらっていいですか?」

「マチちゃん!あの子美人だよね。楽しみー」

「男好きですけどね」



マチはどこに行っても美人だと言われる。顔よし、スタイルよし、頭よし。発言だけが時々残念。

学生の頃から人気者だったマチは、その分男をバッサリ切るのも得意だ。

美人なのにそうやって飾っていないところがあるから一緒にいてとても楽だ。



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