予想外の恋愛


それを聞いたマチは、しばらくの間固まった。
せっかくの美人が口は半開き、ポーズが不自然に止まっていて台無しだ。


「ちょ、ちょっと待って。本気で?」

「こないだね、告白されたんだ。色々話して、お互いの過去の誤解も解けて。私、近藤くんがあんな人だなんて知らなかった。あんなに想ってくれてたことも」


卒業アルバムの最後のページに書かれた言葉が頭に浮かんだ。
大好きだった人からのあの言葉は、とても心に響いた。


「近藤くんと付き合ったら、幸せになるんだろうなって純粋に思ったの。私だってもう昔みたいな失敗はしない」

「それはそうなんだろうけど…ちょっと意外かな。あんたは近藤くんを選ばないって思ってたから」

「え、どうして?」


過去にあれだけ近藤くんを好きで、別れたあともあんなにショックをうけていた私をマチは知っている。
だからマチはきっと、こうなることを予想していると思っていた。
それだけに、この反応は私のほうこそ少し以外だった。


「…本当にそれでいいの?もちろん、ナギサが幸せになるなら私は嬉しいわよ。だけどまだ、ナギサは自分で気付いてない気持ちがあると思うわよ」

「気付いていない気持ち…?」

「後悔だけはしてほしくない。近藤くんとより戻すのに反対するわけじゃないけど。手遅れになってからじゃ遅いのよ」

「…よくわからないけど、私なりに考えたつもり。今度は私から一回誘ってみようと思うんだ」



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