予想外の恋愛


「そこでもしかしたら、付き合うことになるかも?」

「そうなるかも。あんまり近藤くんのこと待たせるのも悪いかな…」

「まあ、どっちにしても早くハッキリしてあげたほうがいいかもね。いくら優しい人とはいえ、待たされるのってしんどいことだから」

「そうだよね…」



とりあえず、近藤くんに連絡しなくてはいけない。

私からメールを送るのは7年ぶりで、あの頃はどんな口調でメールを打っていたかさえ思い出せない。
絵文字や顔文字をたくさん使っていただろう。なんの意味もない短文を送ったことだってあったかもしれない。

そう考えると、本当に良くも悪くも大人になった。
現実を見るようになり、淡白になって。

句読点だけしか付けないテンプレ、用件しか打たない文章、返事が必要なさそうだったら返さないメール。

いつからか味気ない内容のメールしか打たなくなった。だってそれで言いたいことは伝わるから。


「またなにかあったら連絡ちょうだいね。相談ならいつでも乗るから」

「ありがとう」


時が経ってもずっと隣にいてくれる友達に感謝しながら、そうお礼を言った。






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