予想外の恋愛
「前にね、朝田さんの勘違い事件があったじゃない。ナギサは中島さんが好きだっていう」
「ああ、あったねそんなこと」
「あれ実は私のせいなの。ほんとごめん」
「はああああ!?」
「えへへー」
そのことに関しては私も疑問に思ってはいたのだ。
中島さんと話している時の私が随分楽しそうだからとか、元カレに雰囲気が似ているからとか、どうしてそれだけで好きだと勘違いするに至ったのかと。
だけど今ではもうすっかり忘れていた。
「どっ、どどどういうこと!?」
「うっかりねー、朝田さんに軽い気持ちで言っちゃったのよ。朝田さんと中島さんがお店に来てくれるようになってナギサは随分嬉しそうですよーとかなんとか」
「ちょっ…なによそれ!?」
「文句言いながらも会話するのが楽しみなんじゃないですかーとか」
「聞いてない聞いてない!いつの話よ!?」
「ほら、同窓会に行く前。私お店に行ってあの二人と初対面したでしょ?ナギサの勤務時間が終わるまでちょっと話してたのよ」
「…あの時か…!」
高校の同窓会の日、マチはカフェに来てくれて私の仕事が終わるのを待っていてくれた。
そして確かにあの二人と会話していた。
だけどその頃の私は朝田さんのことを嫌っていたし、中島さんとも今ほど親しくなかったように思う。
それなのに。
「…なんでそんなこと…」