予想外の恋愛




「ーーあ」


ふいにマチが小さく声をあげた。

不思議に思って顔を上げた瞬間、後ろから肩を叩かれた。


「きゃっ」


驚いて後ろを振り返るとそこには。


「中島さん!?」

「こんばんはナギサちゃん。偶然だね。あ、そちらの子はマチちゃんだったかな?」

「お久しぶりですー本田マチです」

「ど、どうしてここに」


あまりに突然現れたのでびっくりして、言葉に詰まる。
中島さんの話もしていたから余計にだ。


「ここ有名だから一回来てみたかったんだ。ナギサちゃんも?」

「は、はい。まさかこんな所でお会いするなんてびっくりしました」

「はは、俺も」


その時、中島さんの後ろから一人の女性が顔をのぞかせた。


「中島、知り合い?」

「うん。朝田とよく行くカフェの店員さんだよ。沖野ナギサちゃん」

「そうなんだ。どうも初めまして、川瀬といいます。朝田と中島とは職場の同期なの」

「あ、初めまして!沖野といいます」


マチに劣らずとてもキレイな人だ。
一瞬中島さんの彼女かと思ったけれど、どうやら違うらしい。
だけど同期ということもあってとても親しいように見えた。


「お仕事帰りですか?」

「そうなんだ。今日はこの近くで川瀬と仕事してたから」

「そうなんですね」



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