予想外の恋愛




ベッドの上で膝を抱える。

今このマンションのすぐ下に、朝田さんが来ていたのだ。

会いたくないといえば嘘になる。
会いたい。
顔が見たい。
声を聞きたい。



一緒にデートをした朝田さんの誕生日。
あの日に戻りたい。
だってその時は確かに彼女はいないと言っていたから。

私がもっと早く自分の気持ちに気付いて、素直にそれを伝えられていたら、もしかしたら今とは違う未来があったのかもしれない。
それで振られたとしても、少なくとも今みたいな心のモヤモヤは無かっただろう。



「……っ」


抑え込んでいたものが込み上げて、涙となって零れ落ちた。


唇をなぞる親指の感触、
手首を掴む体温、
それから…キスされたときの熱。

一つも忘れることなんて出来なくて、朝田さんを想っている証のように刻まれている。



膝におでこをつけて静かに泣いていた。
誰もいないのに声を押し殺して。

すると、インターホンが家の中に鳴り響いた。







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