予想外の恋愛
誰だか知らないけれど、こんな顔で出れるはずがない。
モニターの画面に映し出された人物を恐る恐る見てみると、予想外というか予想通りというか、朝田さんが立っていた。
ただしその表情はいつもの朝田さんではなく、なんとなく泣きそうな顔に見えた。
「…はい」
気付けば私は画面の向こうに声をかけていた。
声に気付いた朝田さんがハッとした表情になった。私が出ないかもしれないと思っていたのだろう。
「…話がある。ちょっとでもいいから。話がしたい」
「あの、本当に私、今ちょっと…」
「いいから開けろ」
顔がやばいんです、と言おうとしたのに有無を言わさない朝田さんの態度に参ってしまう。
相変わらず横暴で自分勝手な人だ。
だけど少しそれが懐かしい。それが、私が好きになった人だから。
玄関の鍵を開け、少し顔が見えるぐらいだけドアを開けた。
私を見下ろす不機嫌そうな顔の朝田さんと目が合い、少しの間二人とも固まった。
泣いてたの、バレてないだろうか。