予想外の恋愛
「それで朝田さん、話っていうのは…」
自分で催促しておきながら、これから言われることを想像すると心がぎゅっと締め付けられる。
直接本当のことを言われるのは悲しい。
だけどその方が私は前を向いていけるのかもしれない。
「ああ、うん。…そうだな」
カップをテーブルに置いた朝田さんがふーっと息を一つ吐き出した。
「俺は今日、それなりに覚悟を決めてきた。だからお前もちゃんと聞け」
私は正座をした膝の上に丸めた手を置いて、俯いた。
そして次の瞬間、たった一言で打ちのめされた。
「俺には好きな女がいる」
わかってた。
わかってたのに。
覚悟してたはずの痛みにこんなにも貫かれるとは知らなかった。
やっぱり今日この人は、川瀬さんと付き合っていることをわざわざ言いにきたんだろう。
おそろいのコーヒーカップにワンピースにパンプスにネックレス。それを与えてしまった人物に、勘違いするなと釘をさすために。
「…お前はどうなんだ?」
どうしてそんなこと聞くの。
これ以上惨めな気持ちにさせるつもりなの。
膝の上の手が震える。
それは怒りからではなく、恐怖からでもない。