予想外の恋愛
「…びっくりした。お前、なにしてんの?」
私と同じように携帯を握りしめたままの朝田さんが、驚いた顔をしている。
「え、あの…。もしかして、今からどこかに出かけるんですか?」
「あー、いや、手間が省けたみたいだ。ってお前その格好…」
「…似合ってますか?」
「…俺が選んだんだから当然だろ」
「違います私が選んだんです」
私は、朝田さんに買ってもらったワンピースを着て、パンプスを履いて、ネックレスをつけてここに来た。
これで少しでも私の意思が伝わって欲しい。
「…とりあえず入れよ。用事があって来たんだろ」
「はい、お邪魔します…」
朝田さんの家にお邪魔するのはこれで二回目。
相変わらず殺風景でモノトーンな部屋からは、朝田さんの香りがする。
テーブルの上には黒いコーヒーカップが置きっ放しになっている。
「俺何回もお前に電話したんだけど。なんで繋がんねーの」
「え?嘘!私だって何回も電話したのに、繋がらなかったのはそっちでしょ?」
「はあ?…おいまさか」
二人で目を合わせて固まった。
きっと、同時にかけていたのだ。
「…何してくれてんだよ、まぎらわしいな」
「ひっど!そっちこそちょっと時間ずらしてかけてきなさいよ!」
「おいコラ無茶言ってんじゃねえぞ」
って違う。
今日は言い争いをしに来たんじゃない。