予想外の恋愛
「俺なー、ちょっとショックだったんだぞ。お前の家に行った時に、赤いカップ使ってなかったの」
「え?あ…」
「あれ使う度にお前のこと思い出しながら浮かれて使い続けてた自分が馬鹿みたいだって思った」
「あれは、お店でコーヒー淹れる練習するときに使ってたから家にはずっと持って帰ってなかっただけで…」
被さっている体を押し戻し、起き上がってカバンの中を探った。
そして赤いコーヒーカップを取り出して、テーブルの上の黒いカップにカチンとくっつけた。
「私だってこれ使う度に朝田さんのこと思い出して、浮かれてたんだからね!大事にしてたんだか…きゃっ!」
言い終わる前に、再び押し倒される。
今度は両方の手首を床に縫いとめられて、身動きが出来ない。
さっきまでとは違い、真剣な目をした朝田さんに見つめられ、体が熱くなる。
(…かっこいい…)
目の奥に熱を含ませた朝田さんの真剣な顔は、うっとりするほどキレイで格好良くて、捕らわれた私は少しも動けなくなってしまう。
「好きだ」
囁かれた言葉に、全身が喜んでいる。
「好きだよ、ナギサ。…好き」
ゆっくりと顔が近付いてきて、今までで一番優しいキスをされた。