予想外の恋愛



「二回目に行った時には、もう覚えてくれてたんだよ。俺はアメリカンだって」

「あ…」



思い出した。

中島さんは初めて来てくれた時から、笑顔で話してくれていた。
そしてその頃の私はまだ働きだして少ししか経っていない時期で、仕事を覚えるのに必死だった。



「…その時に思ったよ。ああ、この子良いなって。ナギサちゃんはよく頑張ってると思うよ」


真っ直ぐこっちを見て話す中島さん。
その表情は、まるで妹に話しかけるお兄ちゃんみたいで…、私に特別な感情を抱いていないことは明白だった。


そして私は、それが残念だとは思わない。
この人とはこれからも、この距離でいたいと思った。

お兄ちゃんのような、よき相談相手の常連様。そんな位置付けが正しいように思えた。



「中島さん、ありがとうございます。これからも是非うちのコーヒーを飲みに来てくださいね」

「うん、ありがとう」



中島さんには、人を穏やかな気分にさせる効果があるんじゃないだろうか。
きっとどんな年代の人にも、男にも女にも好かれるタイプだ。
まるで完璧な王子様のように。



「ただ、俺がお店に行く時はもれなく朝田も付いてくるけどね」

「うわ!しまった忘れてました」

「あ、いい反応」


本当に、どうしてこんな良い人とあの朝田さんが仲良いのか不思議で仕方がない。


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