予想外の恋愛
夜の道を走り出した車。
車内では洋楽が流れていて、二人の間の沈黙を埋めているようだ。
窓から街灯を見つめながら、ぼんやりと考える。
今日は不思議な日だ。
お店以外で会うことはないはずの二人と会っている。
朝田さんも、普段お店で見る時とは雰囲気が違う。
口を開かなければ普通の男の人なのに…もったいない。
「率直に聞く」
突然朝田さんが話しかけてきた。
反射的に横を見ると、片手でハンドルを握り前を向いている姿。
容姿がいい分、様になっているのが悔しかった。
「今日、どうだった」
「…誰かさんのおかげで予想外の一日でしたけど、楽しかったですよ」
「俺としては感謝してもらいたいぐらいなんだけど?…あいつ、いい奴だからな。お前みたいな奴でも紳士的に振舞ってくれただろ」
「すっごい聞き捨てならないんですけど、それよりもですね」
ここで誤解を解けないとこれから先、もっとややこしくなることが目に見えている。
自然と手に力が入った。
「前にもちゃんと言いましたけど、私ほんとに中島さんのことは好きとかじゃないので!いい加減その妙な勘違い止めて頂けませんかね!」
「この期に及んでまだ言ってんのかよ…」
「ほんとに!天に誓っても違うから!」
「…待てよ、お前が中島を好きじゃないとしたら、おかしいことに………」
そこまで言って、朝田さんは言葉を詰まらせ、何かを考え込んでしまった。
そしてその顔が何故か焦っているような、困惑しているようなものに変わった。