予想外の恋愛



しばらくして車が駐車場に入った。

そこは大型のショッピングセンター。


「おら、着いたぞ」

「え?ここに?ここに来たかったんですか?」


促されるまま車を降り、朝田さんの隣を歩く。


「…あ、お前歩くのしんどいか?」

「いえ?なぜですか」

「ヒール履いてたらお前のその全体重がつま先にのっかって、歩き回るの疲れんじゃねーかと思って」

「どういう意味ですか!これは楽なパンプスなので全っ然平気です!!!」

「あっそ」


フイっと視線をそらした朝田さん。

もしかしたら…ちょっと心配してくれたのかな?っていうのは私の考えすぎ?

だけど本当に心配してくれていたのだとしたら…彼はとても不器用だ。
気付かれないようにこっそり笑ってしまう。



「それで?何か買いたいものがあるんですか?」

「さあ?あるんじゃねえの」

「なにそれ」


…というか、今日ここに私が一緒に来る意味はあるのだろうか。
買い物だけならわざわざ誘わないだろう。
所詮、カフェの店員と客という関係でしかないのだから。


「中島さんは?」

「あいつは来ない」

「ええっ?じゃあどうして今日空けといてって…」

「…お前は本っ気で鈍いな。ちょっと考えりゃわかんだろが」

「わからないから聞いてるんですけどねえ。男の人が考えてることは私にはさっぱりです」

「へえ、お前は男じゃ無かったってか」

「はあ!?ちょっと考えりゃわかるでしょうが!」

「ああ、うるせえ。黙って後ろついて来てろ」


もう本当にこの人は何様なんだ。
反論する気も失せておとなしく後ろを歩く。


「…やっぱ今の取り消し。後ろじゃなくて横歩け」


不覚にも少しドキっとした。


「はいはい。わかりましたよーっと」





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