あの続きは給湯室にて
あぁ、わかった。あの夢の続きだ。
彼との近さ、胸の鼓動。今朝見た夢と、どこか似ている。
それに気が付くと、途端に顔が熱くなる。
「……玉城、もう大丈夫。」
「そうか?」
「ん、ありがと。」
「……お前、何で顔赤いの?」
えっ、と漏れそうになったのをなんとか堪える。
今朝の夢を思い出していました。
こんなことを言ったらまた怒られるだろうか、と思いながらも、正直にそう伝える。すると、彼はまたその綺麗な目を細めた。
「……人が本気で心配してたのに。」
「だって、」
「お前はむっつり男子中学生か。」
「ぴ、ピチピチの二十代です!」
彼は呆れたように私から体を離すと、シンクに向かう。
出来上がったコーヒーを二つのカップに注いでいる彼の背中を見つめる。広い肩は逞しくて、背中は思わず抱きついてしまいたくなるほど格好良い。
……いやいや、我慢だ。
そういい聞かせる。が、これくらいいいかな、と思い、口を開く。
「……玉城。」
この一言を言ったら、何かが変わるだろうか。
「んー?」
もしかしたら、本当にあの夢の続きを叶えることが出来ちゃうかも。
「玉城、好きだよ。」
なんて、また夢の夢だけど。