少女Fの思惑

にじゅうさん

「あ、岩泉」
「なんですか?」
おいでおいでと手招きされて寄っていったのは担任のところ。
「はい、これ」
「?なんですかこれ」
「開けてみ」
「…あー、テストの」
「そーそ」
テスト上位だったから賞状がもらえた。5位以内だともらえるんだとか。もっとなんか、図書カードとかのがうれしかったな。
「で、これ渡しといて」
「はい?」
担任ゆるいなーとか思ってたら手の上に何かのせられた。
これは…賞状と図書カード?
「一ノ瀬に」
「え、1位だと図書カードあるんスか」
「おー」
「まじか。…ってか嫌ですよ、他の人に頼んでください」
「えー、岩泉頼むよー」
「いい歳したおっさんがぶりっこしないでください」
「けちー。あー、でもほんとそれ頼むわ。僕はこれから会議なんでっ☆」
「あ、ちょっ…」
☆とか…あの担任ふざけやがって。
仕方ない。夕にでも渡しといてもらうよう頼むか。


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