Bad Voice
「やっほ、お邪魔しまーす」

笠原 カイト

吉野 コウスケ
がいきなり入ってきた

他の部員たちは
唖然としているだけだった


「あのさぁ、」

晃介が勢い良くしゃべり出した
部員全員が何を言われるのか
心配でしかた無かっただろう
祐亮なんて、ずっと凌河の手を握っていた



「俺らをダンス部にいれてくれへん?」

だから、この言葉を聞いた瞬間部員は
さぞ、びっくりしただろう


「は、は、は?待って待って冗談でしょ?」

拓弥は、理解は出来てきるが
整理は付いていないみたいだった


「第一!入部届もってないだろ?」

凌雅が晃介と海翔に
問いかけた

「あのさー、入部届くらいもってるよーん」

海翔は、学ランの胸ポケットから
入部届を出した

「じ、じゃぁ!ダンスおどれるの?」

祐亮が、凌雅の後ろに隠れながら
二人に言い放つ


「まぁ、俺、今は踊られへんけど高1の時ダンス教室の講師ちょっとやってたけどなぁ」

晃介の口から思いがけない言葉が飛んできた
そして、みんなが海翔の方を見ていた
だが、俺は海翔が何を言おうとしているのかはなんとなく分かっていた

「あ、あぁ?俺?俺は、全国ダンスコンテスト金賞受賞者だよ?」

海翔のこの言葉を聞いて
視線が一気に俺に集まってきたのが分かった。


「あぁ、ほんとだよコイツの言ってる事」

その俺の言葉に皆がおどろいていた
まさか、あのクラスのお荷物ヤンキーが
ダンス教室の講師や
金賞受賞者などと、だれが知っていただろうか。


「で、いれてくれるよねー?」

そう言って海翔は
晃介の分と一緒に拓弥に入部届を渡した


拓弥は、二人の入部届を受け取り
二人は正式にダンス部の部員となった
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