Bad Voice
拓弥は、俺の方をずっと見ていた

「何だっていい、気なんて使わなくていい
何でも言ってどうせ、次のターゲット僕とかでしょ?」

俺はハッと胸をつかれた
拓弥のカンの鋭さにはいつも驚かされる

「拓弥には隠し事なんて出来ねぇな」

拓弥は、当たり前だと言って笑っていた


「どーせ、はまって奴から手紙来て焦ってんじゃないの?んで、そこに僕の名前かいてあったんでしょ?」


拓弥にはほんとになんでもお見通しだった
事実ほとんどが当たっている

俺は拓弥にあの紙を渡した。
それを見た拓弥はしばらく黙っていた


「このさ、柊生ってどんな子だったの?」

唐突に拓弥から質問がとんできた
気になるのは当たり前だろう
自分がそいつの代わりに殺されるかも
しれないのだから

「柊生は、入学した時こそめっちゃ静かで
何も言い返すことなんて出来い
でも、なんか全然憎めない、そんな奴だったよ。」

俺は正直柊生の事はよく知らなかった
でも、もしもうちょっと大阪にいたら
仲良くなれてたかもしれない
そういや、あいつらどーしてんだ?
本人に関係ない拓弥達がねらわれて
本人達は、どーなってんだ?
もう、死んでんのか?
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