不器用な彼と
勇気Side


帰りのバス。


なんだか昨日は深夜テンション(元引きこもりの悲しき習性)で亜紀にあんなこと言ってしまった…。


隣で携帯をいじってる亜紀をちょっと直視出来ない。


LINE…?誰かと話している。


上に表示された名前は、


『岸優太』


あ…。岸。


なんだか悔しい。


俺の方が岸より亜紀に近いところにいるのに俺と話さずに岸とLINEしてるわけ。


俺は亜紀のあいぽんの上部にあるボタンを長押しして、亜紀のあいぽんを無理矢理電源を落とさせた。


亜「ちょっと、なにすんの」


「俺より岸の方が楽しいよねぇ~。そりゃ引きこもりとクラスのムードメーカーじゃLINEだって違うの?」


拗ねた口調で言ってやる。


亜紀は「バカだねぇ」なんて笑って、あいぽんを鞄にしまった。


「家も隣なくせに、まだかまってほしいの?」


「悪いか。お前だってそんなに岸好きなら付き合えばいーじゃんっ」


「…付き合わないよ、岸くんとは」


ホッとしたのは内緒だ。



夢の時間が終わったって、



亜紀と過ごす時間は全部夢みたい。



引きこもってる間、



無駄だったなぁ、なんて。(笑)



そう思っちゃうくらい、俺は君に釘付けになっている。




夏が、始まる。
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