《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「人は、それぞれなんだから、絶対に人と人を比べたりしない事って、どんな時も人に優しくって父さんと母さんに教わったよね? 三津子!」
一子が涙ぐみ、唇を震わせた。


「……わかってるよ。そんなの。泣くなよ、大袈裟なんだって一子姉……」
呟くように言いながら、涙ぐむ一子の肩に手を置く三津子。
慰めるみたいに一子の肩をポンポンと叩く。

「わかってるなら言わないでよ。歩さんに末子も三津子も初めから失礼なことばっかり!」


「……悪かった。言わない。けどさ、歩って人より、前来たおにいさんの方が、ぶっちゃけ良くない? 結婚するならさ」
人を比べるなという話をしているのに、また歩と秀馬を比べている三津子。


「結婚? なんなの?誰と誰が? 」


「一子姉と、この前のおにいさんがだよ。一子姉が家に男連れて来るのって初めてじゃん? だから、てっきりさ、あのおにいさんと付き合ってんのかなって思ってたんだけど、違うみたいだし。今度は違う男連れて来ちゃうから……ぶっちゃけ、どっちが本命? どっちがキープ?」
大それた事を言い出す三津子に驚いていた。


「本命?キープ? 三津子。勘違いしてるよ。歩さんとも真田さんとも付き合ってないから」



「そーなの? あたしらさ、一子姉が母さんの代わりに私らの面倒みてきたじゃん。大変だったの知ってるからさ」
三津子は顔を上げて、一子を見た。


「一子姉には、さいっこー!に幸せになってもらいたいんだよね〜」力を込めて言う三津子。


心臓が昔から弱く入退院を繰り返している母親の代わりに一子は、長女の役割として妹たちの面倒をみてきた。

今も入院している母のため、可愛い妹たちのため、家族のために頑張る父のために一子は、家族のために出来ることは全てやってきたつもりだった。
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