《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「目の下もクマが出来てる……熱は?」
秀馬が一子の額に掌を置くと、一子は瞼を閉じた。
「熱は無いみたいだ。だけど……」
ーーーひどい病気か?
「何日も寝てなくて……寝たいのに眠れない人の気持ちが生まれて初めて……わかりました」
「寝てない? あんたが? 信じられない。今度は不眠症か?」
一子の背中を支えたままでいたら、一子がトロンとした目で秀馬の体の近くに来た。
「……安心する香りが……しま……す」
秀馬の胸に寄り添うようにしてきた一子は、秀馬のコートの布を掴んでスゥ〜と寝息を立て始めた。
ーーー寝た。寝たじゃないか。こんなにすぐに。寝てないなんて信じられない。
狐につままれた気分で、布団に一子の体を寝かせ、さて離れようとしたところで強く握られたコートに気がついた。