《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
ーーーなんで、掴んでるんだ? しかも寝てるとは思えない力だ。
コートを掴んでいる一子の指を離そうと手を掴んだ秀馬は、完全に寝てしまった一子の寝顔を眺めた。
ーーー少し……痩せたか? 頰がこけたようだ。
何日も食べないし、寝てないと一子の妹たちが言っていた。
ーーー全くどうしたんだ? こいつは?
何かを食べてる夢でも見ているのか、カサついた唇を動かす一子。
自分の懐に入りこんだ小動物みたいだった。
ーーー瀕死のウサギだな……。
秀馬は、スヤスヤと眠り始めた一子の指先を掴んだまま、しばらくじっとしていた。
じっと見つめて、カサカサの唇に再び指を伸ばして触れてみた。
すると、口が開いて秀馬の人差し指の先をぱくりと一子がくわえてしまった。
「うっ!」
驚いて声を上げ指を引っ込める秀馬。
ーーー食べられるところだった……。
スヤスヤと寝息を立てる一子。秀馬は、食べられる寸前だった自分の指先を見つめ、なんとなく体が熱くなってしまう自分に驚いていた。
ーーーどうかしてる。食べものと勘違いされただけだ。
どうにか気分を切り替えて、秀馬は再び一子を眺めた。
ーーーまず、睡眠をたっぷり取らせる必要があるな。
で、卵入りの粥を食わせて、それからビタミンを取らせるだろ。
顔と唇は柔らかく洗顔して、蒸しタオルで蒸して、化粧水たっぷりつけて保湿……いや、待てよ。
なんで俺がそんな心配しないといけないんだ?
急いでコートから指を離させて、秀馬は立ち上がって部屋を出た。
「一子姉は?」
末子が部屋を出て襖を閉めた秀馬に近づいてきた。
「寝た」
「え、まじ? 凄くない? カリスママジック! あんなに寝れてなかったのにさ〜」コタツに入っていた三津子が秀馬を見上げた。
「ありがとうございます。真田さん」頭を下げてきた末子。
「いや、何にもしてない」
「だから〜何にもしなくても〜何よりの特効薬なんじゃん? おにいさん、みかん食べる?」
返事を待たずにみかんを放り投げてきた三津子。
みかんを受け取り、立ったまま首を回す秀馬。
「……俺が? まさか」
「だって、現にそうじゃん。寝られなかった一子姉が寝られたんだから」
「それ、ホントなのか?」
「そうだよ。クマもひどかったでしょ〜〜」
コタツ布団をめくり、三津子が秀馬を見上げた。
「寒いから、入りなよ」
「俺は、いい。もう、帰るから」
「え〜まだいてよ。一子姉が起きたらどうすんのさ。ご飯食べさせてから帰ってよ」
「はあ? なんで俺が? そうだ歩を呼ぶ。それが名案だ」
コートからスマホを取りだすと、その手を三津子が掴んできた。
コートを掴んでいる一子の指を離そうと手を掴んだ秀馬は、完全に寝てしまった一子の寝顔を眺めた。
ーーー少し……痩せたか? 頰がこけたようだ。
何日も食べないし、寝てないと一子の妹たちが言っていた。
ーーー全くどうしたんだ? こいつは?
何かを食べてる夢でも見ているのか、カサついた唇を動かす一子。
自分の懐に入りこんだ小動物みたいだった。
ーーー瀕死のウサギだな……。
秀馬は、スヤスヤと眠り始めた一子の指先を掴んだまま、しばらくじっとしていた。
じっと見つめて、カサカサの唇に再び指を伸ばして触れてみた。
すると、口が開いて秀馬の人差し指の先をぱくりと一子がくわえてしまった。
「うっ!」
驚いて声を上げ指を引っ込める秀馬。
ーーー食べられるところだった……。
スヤスヤと寝息を立てる一子。秀馬は、食べられる寸前だった自分の指先を見つめ、なんとなく体が熱くなってしまう自分に驚いていた。
ーーーどうかしてる。食べものと勘違いされただけだ。
どうにか気分を切り替えて、秀馬は再び一子を眺めた。
ーーーまず、睡眠をたっぷり取らせる必要があるな。
で、卵入りの粥を食わせて、それからビタミンを取らせるだろ。
顔と唇は柔らかく洗顔して、蒸しタオルで蒸して、化粧水たっぷりつけて保湿……いや、待てよ。
なんで俺がそんな心配しないといけないんだ?
急いでコートから指を離させて、秀馬は立ち上がって部屋を出た。
「一子姉は?」
末子が部屋を出て襖を閉めた秀馬に近づいてきた。
「寝た」
「え、まじ? 凄くない? カリスママジック! あんなに寝れてなかったのにさ〜」コタツに入っていた三津子が秀馬を見上げた。
「ありがとうございます。真田さん」頭を下げてきた末子。
「いや、何にもしてない」
「だから〜何にもしなくても〜何よりの特効薬なんじゃん? おにいさん、みかん食べる?」
返事を待たずにみかんを放り投げてきた三津子。
みかんを受け取り、立ったまま首を回す秀馬。
「……俺が? まさか」
「だって、現にそうじゃん。寝られなかった一子姉が寝られたんだから」
「それ、ホントなのか?」
「そうだよ。クマもひどかったでしょ〜〜」
コタツ布団をめくり、三津子が秀馬を見上げた。
「寒いから、入りなよ」
「俺は、いい。もう、帰るから」
「え〜まだいてよ。一子姉が起きたらどうすんのさ。ご飯食べさせてから帰ってよ」
「はあ? なんで俺が? そうだ歩を呼ぶ。それが名案だ」
コートからスマホを取りだすと、その手を三津子が掴んできた。