《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
秀馬は、ふと壁にかかっている時計を見上げた。
11時24分。
「子供が起きてていい時間じゃないな」
秀馬は、末子を見つめた。大きな瞳が潤んでいる。
ーーーホントに。そっくりだな。
「あたしは、高校生だから大丈夫だよ」
「あんたも寝た方がいい。夜更かしは、肌に悪い」
「え! まじ?」両手で頰を押さえる三津子。
「聞いたことあるけどさ〜あ、あれ、肌のゴールデン……レトリーバーだか、レトリバーなんとかって、ほんとな訳? 」
ーーー犬の正式な呼び方をなんで今聞くんだ。肌に全く関係ない。まさか……
「肌のゴールデン……タイムの事を言いたいのか? まあ、昔は22時からはゴールデンタイムとか言ったが……今は特に22時からではなくて、何時からでもいいが睡眠に入ってからの3時間がもっとも大切だと言われてる。成長ホルモンが分泌される時間だからな」
「ふーん、ならまだ平気じゃん」
わかったようなわからないような顔している三津子。
「平気じゃないだろ。メイクも落として風呂も入ってたら良質な睡眠時間が少なくなる。早く寝る用意した方がいい」
三津子は、みかんを置くとじっと秀馬を見る。
「アレが起きたら、卵粥でも食べさせるから」秀馬が続けて言う。
「カリスマってさ、なんか口うるさい親父みたいだね。うけんだけど」
ーーー誰が親父だ!
一瞬ムッとした秀馬だが、
「いてくれるんですか? 」
目をウルウルさせている末子の顔を見て姉想いの幼い妹とは可愛いもんだと癒された。頭をくしゃっとして、微笑んでみせる。
ーーー仕方ないだろ。こんな状態で帰れる奴がいたら、ぜひ会ってみたい。