《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「……」
目を見開き黙って、秀馬を見つめる歩。
やがて、いつもみたいに人懐こい笑顔を見せた。
「そうっすよねー。応援してくれてんすよね〜。なんか……すいません。俺、秀馬さんをライバル視するところっすよぉ。危ない危ない」
「……」
苦笑いするしかなかった。少し馬鹿だが可愛い後輩だ。歩が本気だという女にあえて自分が手を出すなんてことは出来る訳が無かった。
ーーーそれに、俺はあんな女のことは、何とも思っていない。
「歩、アレに電話してみろ」
「一子ちゃんっすか?」
歩に一子が数日寝込んでいた事をかいつまんで話した。
「え! まじっすか! 俺、お見舞いに行って来ます!」
駅へ走り出す歩。
途中で振り返った歩。
「秀馬さん! サンキューです!」
大声で叫びながら両手を上げ秀馬に向かい勢いよく振ってきた。
ーーー馬鹿だな……。
誰に向かっていうのでも無く、秀馬は心の中で静かに呟いていた。