《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「お前が前に言ってた彼女が、写真のせいで誤解したとか?」
気のまわる性格のマッツンの考えは、大抵いつも的を得ていた。
「……だから、彼女は……歩の気に入ってる女だ。俺とは全く関係ない。ホントに」
首筋を指でかきながら言う秀馬の言葉に、マッツンと麻耶がまた顔を見合わせた。
「出たよ、麻耶。かきむしりながらの……ホントに……だって!」
呆れたように秀馬の首筋をかく真似をしながら言うマッツン。
「体は昔から正直ね。自分の意に反することを言ったりすると、途端に痒くなるんでしょう? ね、おつまみ適当に作るから、耕三は秀馬の恋の悩みでも聞いてあげてて」
そう言って麻耶はコートを脱ぐと、ソファに置きキッチンへと向かった。
「恋の悩み? 誰が」
鼻で笑う秀馬。
「お前が」
「俺? 無い無い無い! 誰が恋の悩みだよ。笑われるのがオチだ。この歳で恋って無いだろ」
全力で否定しながら、立ち上がる秀馬。
ーーーあるわけが無い。恋? 誰の話だ。幾つだと思うんだ? 35だぞ。
リビングをひたすら行ったり来たりと歩きまわる秀馬をマッツンは楽しげに眺めていた。