《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
引き寄せられた一子の体は、強く歩に抱きしめられていた。
「////歩さん……タクシーが…」
「うん、行かなきゃね。寂しいなぁ、俺」
腕の力を緩めて、歩は一子の顔を見つめる。
「俺、嬉しいよ。一子ちゃんみたいに可愛い子と今年はクリスマスパーティーに行けるからさ〜」
「……」
なんていうべきか、迷っていると歩が言葉を続けた。
「ありがとね、一子ちゃん」
「いえ、とんでもない」
「じゃ、パーティーの日は迎えに来るからね。家で待ってて」
「わざわざ、すみません」
「いーんだって。俺、すっげー楽しみにしてんだからさ〜」
やっと、一子から離れてタクシーに乗り込んだ歩。
走り出してからも寒いのに窓を開けて、顔を出して「おやすみ〜一子ちゃん! 愛しるからね〜〜」と叫んでいた。
ーーー冗談ばっかり。
思わず、クスッと笑ってしまった。
いつも明るい歩には、どこか憎めないオーラが出ていて、会うといつの間にか歩のペースに巻き込まれてしまう。
ーーーパーティーか……なんか緊張するなぁ。
歩の乗ったタクシーが見えなくなると、一子は家に戻り始めた。
ーーー真田さん、わざわざ歩さんに私のことを話したんだよね。
歩いている途中に足のつま先に当たった小石。立ち止まり、少しだけ反動をつけて小石を蹴った。
小石は、ころころと転がり、ぽちゃんと音を立てて道路の側溝に落ちていった。