《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「そのまま着ていけばいいんじゃないか? もう、あまり時間もないし。それに……」
一子は、まだ言葉を続けそうな秀馬を見上げた。
「せっかく似合ってるんだから、すぐに着替えたらもったいない」
「もったいないですか?」
秀馬は、首を指先で少しかきはじめて視線を泳がせて一子の腕から手を離した。
「いや、その……なんていうか、せっかく買ってもパーティーだけじゃもったいない。それなら普段にも着られるだろうしな」
秀馬は、泳がせていた視線を戻して一子を見た。
「たぶん歩も喜ぶと思うぞ」
ーーー歩さんが喜ぶ?!
自分の気持ちが、膨らませてから時間がたった風船みたいに徐々にしぼんでいくのを感じていた。
「そう……ですね」
精一杯作り笑いを浮かべてみせた。
購入したニットワンピの上からダッフルコートを羽織り、とぼとぼと俯いてファッションビルのフロアを歩いていると、前を歩く秀馬が立ち止まった。