《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
女神みたいな微笑みと「気にしないで、ね?」チャーミングなウィンクを残して前へ移動していく麻耶と男性を見送っていた。
ーーーあの雑誌の記事は、違うって。友達だって真田さんは言ってた。でも……。歩さんは、真田さんには好きな人がいるって言っていた。
呆然として立ちすくむ一子。
ーーー素敵な人だわ。美人で優しいなんて。完璧過ぎる。
明らかに自分なんかとは、女性として比べたり出来ないほどの位置にいる麻耶。
ーーー目を覚ませ! 一子。真田さんは、こんなに素敵な女性と噂になるほどの人なんだから。
噂が嘘か本当かなんて関係ない。
一子は、自分で自分の頰をペシペシと叩いていた。
ーーーでも、真田さんは、どうしてあんなこと……。
頭の中にリフレインしていた。
秀馬が一子の瞳を見ながら発した言葉。
『好きな人? それなら……今誘ってるけど』
近づいてきたブロンズ色の瞳。触れた唇の柔らかさ。
ーーー真田さん……どうしてキスなんかしたの?
仁美さんといい、麻耶さんといい……真田さんといい、みんな有名人だ。
やっぱりどう考えても私とは別世界の人に思える。
壇上で「ビンゴ!」と叫び、景品を貰ってから一子の方へ「もらったよ〜」と嬉しそうにアピールしてきた歩。
一子はたくさんの人の中に自分の姿を見つけてくれた歩に、手を振りながら笑顔を返していた。