《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「歩さん、化粧室に行って来ますね?」
ビンゴが当たり上機嫌な歩。
「うん。帰り送るからさ〜ここで待ってるね」
「あ、はい。あの…じゃ、行ってきます」
パーティーがお開きになると、きっと帰り支度で混雑すると思える化粧室へひと足先に向かう一子。
化粧室で鏡を見ながら、自分を見つめた。
ーーーいくら、真田さんにカットしてもらっても、真田さんに服を選んでもらってもクリスマスプレゼントをもらっても、私は一般人だ。
大勢の人に紛れていたら、きっと見つけてはもらえない。オーラも何もないのだから当たり前だ。
化粧室を出て人の間を抜け、歩の所へ戻るために、もたもたしながら進んでいると、急に横から手首を掴まれてしまう。
「ひゃっ!」
手首を強くひかれた先で、後頭部がトンと何かにぶつかった。
顔を上げると、そこには歩の顔があった。驚く間もなく背中から抱きしめられていた。
一子の背中に歩の体が密着していた。
全身が心臓になったようにドキドキしていた。耳に歩の息がかかり
「やっと、捕まえた〜。遅いから迎えに来たよ」と囁かれた。
「よく……私を見つけられましたね? 歩さん」
一子を後ろから抱きしめたままの歩。
「どこにいても見つけられるよ〜。一子ちゃんは俺の特別だから」
歩は、抱きしめていた一子の体を放して一子の顔を前から窺う。