《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★


ーーーこんな大勢の人の中から、ビンゴの時も、そして今も私を見つけてくれる歩さん。


一子は、目の前にいる歩をそっと見つめた。

「歩さん……ありが」
自分を特別だといい、オーラなんか少しもない自分を見つけてくれる歩にお礼を言いたかった。
そして、言いかけた時一子の瞳には歩のずっと後方にいる人が映りこんでしまった。


ーーー真田さんだ。


秀馬が誰かと楽しそうに話をしている。人の波に紛れても秀馬の姿は、一子の瞳に入ってきてしまう。


「一子ちゃん?」

言葉を切った一子を不思議そうに見る歩。



しっとりとしたクリスマスソングが流れて、人々の会話や笑い声が絶え間なく聞こえていた。


ーーー真田さん。

聞こえるはずもないほどに離れた位置にいる秀馬。

一子と秀馬の間には、たくさんの人が流れている。

見え隠れする秀馬の横顔が、まるで一子の心の声を聞きつけたようにこちらへとゆっくりと動いた。
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