《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
三津子が出てきた所から走ってきたのが、村山家の次女で愛の母親である不二子だ。
開口一番、
「うわっ、イケメンだ。一子姉の彼氏なの?」
と言って不二子は秀馬をまじまじと見つめた。
「だから、違うの。真田さんは、送って来てくれただけなの」
また、手を振り回して焦っている一子。
「そうなの? なんだぁ。真田さんっておっしゃるんですか?」
不二子は、秀馬に寄っていき愛を引き取った。
「えぇ」秀馬は、ぱたぱたとコートを手で払い始める。
「彼女とか、いるんですか?」
愛を抱っこして不二子が聞く。
「……特にいないが」
秀馬の答えに、微笑む不二子。
「ちょっと! 不二子、何聞いてんの?」
不二子と秀馬の間をうろちょろする一子。
「大事なことでしょ。これから、付き合うなら聴いとかないと」
「だから!」一子は、妹たちの言動に困り果てていた。
「大事だけどさ〜、マジほんとのこと言う? まんまイケメンだと、女なんか腐るほどいる方が当たり前っぽい」腕組みして、値踏みするみたいに秀馬を見る三津子。
「ちょっと! 待ってよ。 失礼だから!」
「マジ一子姉、あり得ないから。一子姉は、もうすぐ30じゃん。いまだに男っ気ゼロじゃあ、ヤバイって。イケメンで彼女いないっていうんだからさ、彼女にしてもらいなよ。ん?」早口でまくし立てた三津子が、秀馬の側にどんどん寄って行く。
「おにいさんさぁ、一子姉を…」
秀馬の前に立つ三津子を一子は、ハラハラしながら見つめた。