少しずつ、見えるミライ
「こんなキッカケでもなきゃ、未だに来れてないかもしれない。」

「.....キッカケ?」

「うん。」



修ちゃんは、手を握りなおすと、軽くため息をついて、視線をテーブルに移した。

その様子からすると、あんまりイイことじゃないんだよね.......



「俺、転勤が決まったんだ。来月、福岡に行く。」

「福岡?」

「うん。正直言うと、最初に未帆のところに行った時はまだ、異動が出るかもよっていう噂だけだったんだ。だけど、もう内示が出ちゃったから、向こうに行く前に、どうしても未帆に気持ちを伝えておきたかった。」

「それって.....。」

「もし、俺の気持ちを受け入れてくれるなら、一緒に来てほしい。」

「えっ......。」

「急で申し訳ないけど、考えてみてくれないかな。」

「.......。」



話が急展開過ぎて、もう頭の中がグチャグチャだ。

一つ一つの項目がディープ過ぎて、きちんと理解が出来ていない気がする。



だけど、修ちゃんがそれだけ真剣なんだってことだけは、今の話でよくわかった。

だから、やっぱり適当な返事をするのは良くないんじゃないかと思う。



納得が行かない離婚をさせられたはずなのに、修ちゃんは私をこんなに思っていてくれた。

それはものすごく嬉しかったし、そう言われて気持ちがグラつかないと言ったら嘘になる。
< 191 / 216 >

この作品をシェア

pagetop