少しずつ、見えるミライ
でも、私には朝陽がいる。

いつも真正面からぶつかって来て、ありったけの愛をくれる、誰よりも愛しい存在が。

甘ったれで、危なっかしい、子犬みたいな朝陽を、私は放っておけない。



修ちゃんの気持ちは、私にとって嬉しいサプライズだった。

後味の悪い別れが、キュンとする素敵な思い出に変わって嬉しかった。

だから、それだけで十分。

だって、修ちゃんみたいなイイ男には、私なんかより可愛い彼女が、すぐ見つかるに決まってる。



「今日は、修ちゃんの気持ちがたくさん聞けて嬉しかった。本当のこともわかったし、誤解も解けたし、会いに来てくれて、本当に良かった。」

「.......。」

「でも、私、今、付き合ってる人がいるの。」

「そう、なの?」

「うん。修ちゃんみたいに頼りがいはないし、まだまだ子供みたいな所もあるけど、一生懸命愛してくれるし、言ってることも全部信じられる。だから、そばにいてあげたいの。」

「それって、もしかして、未帆のとこのバイトの子?」

「へっ?」

「当たり? やっぱりな。」

「なんで知ってるの?」

「この前、追い返された時、すっごい敵対心、感じたから。」

「え? それ、いつ?」

「未帆が休みの日。」

「休み? ふ~ん.....。」



そんなの全然聞いてない。

いつのこと?

私が休みの日は、自分も休みでしょ。

朝陽、心配して、隠してたんだ.......
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