少しずつ、見えるミライ
翌日、遅番で出社して来た由貴ちゃんに、早速、意見を聞いてみた。

履歴書に目を通してもらいながら、どんな子なのかを簡単に説明すると、返って来たのは予想通りの答え。

.......やっぱり。そうだよね。



とりあえず、それで諦めは着いた。

もういい、決定。採用!!

じゃあ、シフト考えなくっちゃ..........

なんて呑気に思った瞬間、すごい剣幕で、由貴ちゃんが突っ込んで来た。



「てか、店長! 迷ってる場合じゃないでしょ。せっかく奥の方から一等地に移動して来て、売り場も広げてもらったのに、今、ここで勝負しなくて、いつするんですか?」

「あぁ、うん。そうだけど.....。」

「ただでさえ人手不足で困ってるんだから、条件が良い上、立ってるだけでパンダになるような子が応募して来たら、即、採用に決まってるでしょ?」

「う、うん。」

「使えるものは何でも使って、ちゃんと売り上げキープしないと、次の改装で、また奥の方に逆戻りですよ。わかってます?」

「そう、だよね.......。」
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