キラキラ〜不良な君に恋してる〜



「早瀬さん、覚えてる?あなた、不良に絡まれて、怪我したのよ?」

「あ…はい…」




そうだ。
葵くんと二人で帰ってる途中に不良に絡まれて、争いになってそれで…。




「千世子…」

「葵くん…。よかった、葵くんも…無事だったんだね」




葵くんもところどころケガをしているけど、大ごとにはなっていないみたい。
それにホッとする。



「もう、本当にごめんなさいね。こいつのケガなんてどうでもいいのよ、自業自得なんだから。女の子の顔に傷をつけるなんてもう…本当に、ごめんなさい」

「あ…いいんです…。私が悪いんです」



私が、あの中に入って行っちゃったんだから。
葵くんは来るなって言ってくれたのに。
しゃべると口の端が痛く、拳が当たったから腫れてしまっているんだと気付く。




「口の端の腫れと、それから、頭を打って血が出ているの。意識を失ったのは軽い脳震盪だと思うけど、明日ちゃんとした検査を受けましょうね」

「…はい。ありがとうございます」

「千世子…本当に、ごめん…」



葵くんはとても、憔悴しきったように見えた。
酷く自分を責めているんじゃないかな。
葵くんのせいじゃないのに。


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