しろっぷ
 取り残されたゆかりと武彦の気まずい雰囲気になり、互いにどうしたらいいかわからない。

 まったく、本当に口ばかりの男だな〜。

 呆れてしまったゆかりはレモンティーをすすり、武彦が口を開くのを待った。
 が、よほどショックだったのか、しばらくショックから立ち直れそうにない顔をしている。
 バチーーーン!!
 『美里本舗』内に響いた張りての音。
 だがもちろん、叩いたのはゆかりではなく、化粧が濃い女性の連れの男に浴びせた張りて。

 あっ!思い出した。
 あの変なニュアンスの男、確か武彦の母親と一緒にデートしていた男だ!!

 そんなどうでもいいことを思い出したのを尻目に、化粧が濃い女性は怒り心頭で店から出て行った。
 張りての音で我に返った武彦は、優香里が頼んだブルーマウンテンを奪うように取り、それをグビグビと一気飲み。
「ぷはーーー」
「・・・・・」
「そうですそうです。全部僕が悪いんです」
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