記憶と。
 僕はアルバムを見続けていた。
そこのはあの遠足の写真も載っていた。
写真を見ながら、僕はいろんなことを思い出していた。
それは本当にひさしぶりに、中学校の頃のことを思い出した。
楽しかった記憶も多かった。
でも、そんないろんな楽しい記憶より、綾子と別れたことが僕には大きく、重かった。
中学の事を思い出せばかならず綾子の事を思い出す。
僕は高校になって、綾子の事を忘れるのに必死だった。
そして、綾子の事を考えることが無くなるのに、3年もかかった。
そして、3年目に、再び綾子に向き合うことになった。
それは、本当はもう一度振り返りたい過去だったのかもしれない。
でも、自分で過去を振り返るのが怖かったのかもしれない。
僕は、自分が今少しだけ、過去に戻れている、あの時の、僕になれている感じがした。
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