記憶と。
2学期も終わり、冬休みに入り、正月を迎えた。
僕は生まれて初めて、2人で初詣に行った。
綾子は綺麗な着物を着ていた。
普段着だった僕は、少し恥ずかしかった。
「ユキ。どうかな。」
「う、うん。いいんじゃないかな・・・」
「ホント?ありがと。」
僕の大好きな笑顔だった。
「ごめんね。俺、こんな普通の服でさ。」
「え、いいよいいよ。ハカマ履くわけにもいかないでしょ。」
「そりゃそうか・・・。」
僕たちはいつもの学校への道を通り、神社へむかった。
同じクラスの人間もたくさんいた。
僕は、綾子と一緒にそこにいることが、少し誇りげだった。
知り合いに適当に新年の挨拶をし、僕たちは家に帰ることにした。
着物で草履だった綾子に下り坂はとても難しそうで、僕はとっさに手を貸した。
そのまま、家に向かった。
帰り道、僕達は、あのベンチに座っていた。
「カフェオレでよかった?」
「ユキはいっつもカフェオレだね」
「ごめん、好きなんだよ。これ。」
「ううん。私も好きだよ。これ。」
僕達は寒い中、1時間以上そこにいた。
少しなんとなく重い雰囲気で。ボゥとしたまま。白い息をしていた。
そのなんとなく緊張感のある空気の中、口を開いたのは綾子だった。
「ねえ、ユキ。」
「ん?」
「私達、別に付き合ってるわけじゃないんだよね。」
「・・・。うん。」
僕にはその言葉が、なんだか別れ話にも感じた。
僕は生まれて初めて、2人で初詣に行った。
綾子は綺麗な着物を着ていた。
普段着だった僕は、少し恥ずかしかった。
「ユキ。どうかな。」
「う、うん。いいんじゃないかな・・・」
「ホント?ありがと。」
僕の大好きな笑顔だった。
「ごめんね。俺、こんな普通の服でさ。」
「え、いいよいいよ。ハカマ履くわけにもいかないでしょ。」
「そりゃそうか・・・。」
僕たちはいつもの学校への道を通り、神社へむかった。
同じクラスの人間もたくさんいた。
僕は、綾子と一緒にそこにいることが、少し誇りげだった。
知り合いに適当に新年の挨拶をし、僕たちは家に帰ることにした。
着物で草履だった綾子に下り坂はとても難しそうで、僕はとっさに手を貸した。
そのまま、家に向かった。
帰り道、僕達は、あのベンチに座っていた。
「カフェオレでよかった?」
「ユキはいっつもカフェオレだね」
「ごめん、好きなんだよ。これ。」
「ううん。私も好きだよ。これ。」
僕達は寒い中、1時間以上そこにいた。
少しなんとなく重い雰囲気で。ボゥとしたまま。白い息をしていた。
そのなんとなく緊張感のある空気の中、口を開いたのは綾子だった。
「ねえ、ユキ。」
「ん?」
「私達、別に付き合ってるわけじゃないんだよね。」
「・・・。うん。」
僕にはその言葉が、なんだか別れ話にも感じた。