涙空*°。上
―凜said―

屋上のフェンス側。
とか言いつつ来ちゃったし。
隣の未遥と怜雄は挨拶してるし。

『どーぞっ』
あたしは仕方なく、頼まれた焼きそばパンといちごみるくを龍樹に渡した。

『さんきゅっ』
龍樹がいちごみるくなんて、マジで笑えるって思う。


...って話は本人にはできませんが。
笑える話じゃなくなりますから。



『ここ、景色綺麗!!』
屋上に来たのは初めてで、
町が見渡せるし、何より空が綺麗だった。
『今日、空綺麗だな』

...龍樹も同じこと思ってたんだ。
『あ、未遥そろそろ戻る?』
『え?ここで食べてけばイーじゃん!』
と、ニコニコしながら怜雄は言った。

『じゃ、お言葉に甘えて〜笑』
なんて未遥もちょっと楽しそう。

まぁ、いっか!

目の前に座る、焼きそばパンを頬張る龍樹と目が合った。

焼きそばパン詰め込んでるくせに、
バーカって口ぱくしたから、
あたしも
アーホってやり返した。

憂鬱だった今日が、ちょっとだけ楽しくなった気がした。
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