涙空*°。上
日向夏樹ってヒト

―凜said―

はぁ...疲れた。
今日1日ぐったり疲れた。

今、あたしは未遥のうちにいる。
今日はお泊まりだ!!
お菓子パーティーだ!!やけぐいd...

『凜』
未遥の低い声が部屋に響く。

うん、わかってる。
あたしだってそんなウハウハしてるわけじゃない。

『八神龍樹の事だけど。』

『朝、道案内させられて。席、まさかの隣で...』
『うん、八神くんと仲良さそうにやってたね。』

仲良さそうにやってたのか...
未遥は怒ってるかな...?

『それはべつにいい事なんだけどね。ただ...あたしが心配してるのはさ』

未遥が遠慮がちにあたしを見た。
未遥のいいたいことはよくわかる。

つまり...

『八神くんと、夏樹を重ねてみちゃってないかな...って心配になった』

100%重ねてないとは言いきれない。
でも、違うってわかる。

けど、それゎ1日関わっただけの龍樹に対してじゃなくて、

ずっと一緒にいた夏樹を基準にしてるんだと思う。



夏樹とは、すごく似てる。
でも、違う。

『ん...ありがと、未遥。あたしは大丈夫だから...』
『大丈夫ならなんでそんな顔してんの!?』


未遥が大声を張り上げた。

『あたしがこんなに夏樹の事思い出すのに、凜が何も感じないわけ無いじゃん!!』

『ツ...』

未遥の言う通り。
本当は全部思い出してた。

声も 匂いも 笑顔も。
あの日の言葉も...




『この空の下、
どこにいたって、
俺は凜のこと想ってる』

あの時の夏樹の涙も、
最後の笑顔も。













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