君愛。
「由美、..ごめんな。俺は大丈夫だから、俺はお前が心配なんだよ。足どうした?」


私は涙を拭いながら言葉を続けた。


「雄大が居なかったら、生きる意味無いから......だから、死のうとして車に轢かれたの。」



私の言葉に雄大は目を見開いて、私を強く抱き締めた。


「バカはお前だよ、何勝手に死のうとしてんだよ。......生きてて良かった。」



雄大の温かさと、言葉に涙が止まらなかった。
私が死んだら、悲しんでくれる人がここに居る。
それだけで凄く嬉しくて、仕方がなかった。



「俺、お前のために治すから。」



雄大の言葉に、私は涙ながらの笑顔で頷いた。



「それからさ、俺ともう一度付き合ってくれ。」



「そんなの、付き合うに決まってるでしょっ」



私は、笑いながら雄大を抱き締めた。
すると、近付く雄大の顔に私は目を閉じた。



唇に伝わる柔らかな感触、懐かしい雄大とのキス。



「雄大、大好き。」



私は幸せなひと時を、雄大の病室で過ごした。
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