毒舌紳士に攻略されて
まさに「今からデートに行ってきます」と言っているようなものだ。
だけどここで認めるわけにはいかない。認めてしまったら最後、延々とお母さんに問い詰められることは目に見えているから。

「そんなに遅くならないと思うから」

先ほどの質問には一切答えることなく淡々と述べ、ドアノブに手を掛ける。

「はいはい、分かったわよ。別にいいわよ?泊まりでも」

「……っ!そんなわけないでしょっ」

そのまま出ようとしたものの、お母さんってばとんでもないことを言い出したものだから、つい振り返ってしまった。
すると予想はしていたけれど、ニヤニヤしては私を見つめていた。

「あら、照れることないじゃない。そもそも今までそういうのがなかった方がおかしいんだから。お母さん、安心したわ。やっとめぐみにも休日にデートしてもらえる相手が見つかって」

「だっ、だからそういうのじゃないから」

さすがは母親だ。
服装を見ただけでデートだと見抜かれてしまうとは。
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