毒舌紳士に攻略されて
「それって遠回しに、わざわざ休日に俺と会いたくないって言いたいのかと思って」

「そういうつもりで言っていないから!私はただっ……!」

「じゃあ俺に会えて嬉しい?」

「……っ!」

ひとりテンパっている間に、いつの間にか坂井君はハザードランプを点けて路肩に車を停めていた。
そして「早く答えろ」と言わんばかりに見つめてくる。

なっ、なんでこんな展開になっているのだろうか。
ただ素直に坂井君の身体を心配して言っただけなのに。

「なぁ、佐藤どうなの?俺に会えて嬉しい?」

追い詰められた状況とは、まさに今の状態だ。
車内という狭い密室空間。外は車が行き交う道路。逃げるに逃げ出せない。
なのに坂井君は返事を急かしてくる。

私の性格を熟知しているのなら察して欲しい。
こんな状況で素直な気持ちを言えるとでも思っているのだろうか?
もしかしたらそれを分かった上で、からかわれているのかもしれない。
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