毒舌紳士に攻略されて
「だけどあの時は恋愛よりも友情が優先しちゃって、友達につられるように酷いことしてしまった。……本当にごめん。でも佐藤さんのこと、好きだったから。好きじゃなきゃ毎週欠かさず図書室に通わなかったし、夏休みだって毎日のように会わなかった。好きだったから会いたかったんだ」

力強い言葉と真剣な面持ち。
目の前にいる石川君を見る限り、とても嘘をついているようには思えない。
じゃあ本当なのだろうか?石川君が言っていることは。
本当に私のことを好きでいてくれたの?

いまだに半信半疑な私に気付いてか、石川君は力強き声で話を続ける。

「高校時代も何度も佐藤さんに謝ろうと思っていた。教室にだって行こうとしたし、図書室にだって何度足を向けたことか。……でもあんな酷いことをしておいて、今更だと思われると思って諦めていた。高校時代も、卒業してからもずっと後悔していたんだ」

もう嘘じゃないって信じてもいいんだよね?
確かに酷いことをされた。でも完全に私に気持ちがなかったわけじゃなかったんだ。

「本当にごめんな」

最後にもう一度、石川君は深く頭を下げた。
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