毒舌紳士に攻略されて
思わず「ひいっ!」と声を上げてしまいそうな形相のまま、琴美は怒りをぶつけるように言ってきた。

「どうして連絡取れないのよ!しかもそんな何かありました的な酷い顔しちゃって!ボロボロになる前に、なんで頼ってくれないの!?」

肩で呼吸しながら話す琴美は、今にも泣き出してしまいそうで、それだけ心配させてしまったかと思うと、胸が痛む。

「ごめんね、連絡できなくて」

「できなくて、じゃなくてわざとしなかったんじゃないの?」

「そっ、そういうわけじゃ!……あるかな?」

意図的にスマホの電源を入れなかったわけだし。

素直に認めたものの、それが返ってまた琴美の怒りに触れてしまったようだ。

「ほらやっぱり!!だからこうしてわざわざ文句を言いに家まで来てあげたの!だから上がらせてもらうわよ!」

「どっ、どうぞ……」

横にずれると、琴美はズカズカと家に上がり込んでいく。

「詳しく話を聞いてあげるから、温かい珈琲でもちょうだい」

そしてさっさと二階へと上がっていってしまった。
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