毒舌紳士に攻略されて
急にやってきたかと思えば、まるで台風のようにさっさと上がっていってしまった琴美に茫然としてしまう。
琴美らしいと言えば琴美らしいけど……。

ついさっき言われた言葉を思い出せば、笑えてしまう。
だって想像していたとおりのことを琴美は言っていたのだから。

こんな時笑えるなんて、やっぱり私にとって琴美はなくてはならない存在なのだ、と再認識させられながらも、言われた通り珈琲をふたり分淹れて、琴美の待つ部屋へと向かった。



「はぁ!?なにそれ!坂井と高橋がグルだったの!?信じられないんだけど!!」

「……私だって信じられないよ」

あれから珈琲を飲みながら、二十四日のことを全て話すと、琴美は『信じられない』と言いながら立ち上がった。
そして今も茫然としたまま私を見下ろしている。

「だってあの坂井だよ?あいつがそんなことするなんて、信じられないんだけど」

「うん……でも事実だから」

私だって信じられない。でも本当の話なのだ。
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